到着直後で通信手段が限られていたためご報告が遅くなりました。
申し訳ありません。

現在の七海の状態は、主治医の先生と加藤先生が奇跡とおっしゃる位に腎機能が回復し、尿量も今までとは比較にならない位に出ています。腎臓の影響を確認しつつ、移植に備えて成長させるために栄養価の高いミルクを飲ませていただいています。到着後すぐにICUに入りましたが、状態がとても良いため昨夜、一般病棟に移りました。

本来あるべき能力には遠く及びませんが、奇跡的に腎機能が回復しているため、もし腎臓が今の能力を維持できるようであれば移植をすぐには考えなくても良く、より移植が安全な体格に成長させることができると加藤先生が仰ってくださいました。
腎機能が低下した場合には、日本で行っていた眠らせた状態での24時間連続の血液透析ではなく、起きた状態で週3-4回の定期的な血液透析を行って状態が維持できるか見ることも検討してくださっています。この方法であれば連続透析とは違い長期間の血液透析が可能であるとのことです。その一方で血液透析は殆どの場合、発育に影響を与えるため移植の検討が必要になるとのことです。
今後は精密な検査と検討を十分に行い、七海の状態の変化を観察しつつ今後の治療方針を決定してくださるとのことでした。

移送には医師、看護師、救急救命士の5名の医療チームがまた、マイアミ大学の加藤先生が国際線の到着地シカゴで緊急時に備えて待機してくださいました。
JAL010便機内には酸素ボンベが用意され、その他、万一に備えて様々な医療機器が機内に運びこまれ、座席に固定したり、座席の下に備え付けられたりしました。飛行中はフライトアテンダントの皆様にとても気を使っていただきました。機内では酸素ボンベから酸素を七海の顔付近に流しながら酸素飽和度と心拍を常時モニタで確認し続けていただきました。
七海の状態は非常に良く、機内で数時間おきにミルクを飲んでくれました。鎮静薬が効いていたため移送中の大部分は静かに寝ていました。
私達夫婦は水平飛行を続けている間、時々酸素飽和度が急に下がることにびくびくしていましたが、実際には成田空港から飛び立ち、上昇中が一番緊張した時間だったこと、水平飛行に移行したときに成功を確信したことをマイアミ到着後に先生方からお聞きしました。

皆様のお陰で七海は無事にマイアミ大学に着くことができました。本当にありがとうございます。

七海は1%の壁を乗り越えて、主治医の先生が助からないと覚悟した首のカテーテルでのMRSA感染を克服してくれました。長時間の移送にも耐えてくれました。さらに腎機能も奇跡的に回復してくれています。
去年末とは正反対に良い方向に状態が進んでくれていて非常にうれしく思う反面、腎機能がいつ低下し始めるか、まだ太腿にあるカテーテルから再び細菌感染することはないかなど心配は尽きませんが皆様の応援を背に七海と私達夫婦は頑張って参りますのでこれからもどうか宜しくお願いいたします。

取り急ぎ近況のご報告まで。
中山明・美紀子